草森紳一 著. 横尾忠則 装幀. 駸々堂, 1972. Hardcover with slipcase. 439pp. Text in Japanese. Size: 315x227mm.
デザインとは、おそらく、生を営む人間の「慰め」なのではないかと思われるほどだ。そしてこの「慰め」の底には飛躍したいいかたをすればエロチシズムの問題がよこたわっているような気がする。それはデザインというものが究極において人間の身体をでることはないからではないか。そういう予感を、江戸時代にしぼってみることによりさぐりたしかめられたらと思う。(本文より)
小判 太陽の審判
詩仙堂の扁額 自戒の多発
欄間 余分であることの卑猥
砂雪隠 野趣の洗練
墓 嗚呼悲しき哉の構造
黄表紙の山東京伝 軽業の綱の上なる意匠
きもの いわば裸同然の機能
歌舞伎「鬼一法眼三略巻」の場合(加賀山直三・草森紳一)
伊織の干菓子 三月には三月の心
角力 円の中の絶頂
花押 瀕死の象徴 他
状態は、函縁、函角にイタミ・キズ・全体にヤケ有。本体表紙にスレ・傷・汚れ、背にシワ、天地小口とページにヤケ有。