佐藤拓真「(Post)Archetype」
“写真が最も「再現できない」のは被写体のスケール感である。ぼくたちが写真で見知っていた場所を訪れたとき、「想像と違った」と感じることはしばしばある。ここで重要なのは、写真からは正確なスケールを想像できないということではなく、正確に想像することができないにもかかわらず、人がそれを想像してしまうということだ。[…] ノンスケールは決して「スケールを欠いた」ものではない。不断に大小する可塑的な「スケール感」そのものなのである。それは観念的な「物質」である。”(原田裕規「物質としてスケール感を扱う方法」、2018年) “見ることが主題であるこの一連の作品群は、石の浮遊感を演出することで、写真表現のカタルシス「決定的瞬間」をあざ笑う。[…]この土俵では、様々な綱引きが勝敗のつかない「交換、横滑り」というかたちで行われている。まるでハーフパイプに似た土俵。それは長期プロジェクトのひとつの結実した形として、多義的にバージョンを変えて順次リリースされる。”(Gottingham「ハーフパイプ──あるバージョンとしてのWYSASSS」、2018年) 美術家・佐藤拓真によるインスタレーション「(Post)Archetype」を開催します。 本展は、「WYSASSS ── curated by Gottingham」(CAGE GALLERY、2018年)で制作されたライトボックス作品《WYSASSS scale #4》と、ジェネリックプロダクトのチェアによって構成されるインスタレーションです。 原始の建築を示す扉絵を反復したかのような「(Post)Archetype」の構造は、第三者の解釈、コンテクストの作用によって複製され続け、いつしかコピーがオリジナルになるような、事後的な原型をモデル化するためのシミュレーションと言えるでしょう。 また、本展に合わせ、美術家・原田裕規と写真家・Gottinghamによるレビューを新たに掲載しアップデートされた作品集『WYSASSS』(DOOKS、2,300円+税)を発表します。出版元DOOKS のポップアップも同時開催。 ■ 会場:東塔堂 | Totodo 会期:2018年6月1日[金]→ 6月23日[土] 時間:12:00-20:00 [日曜休み] ■ 佐藤拓真 Takuma Sato 宮城県生まれ。 主な展覧会 2018年「WYSASSS ──curated by Gottingham」 (CAGE GALLERY、東京、2018、第10回恵比寿映像祭地域連携プログラム) 2017年「WYSASSS」(circle&gallery、東京、2017) WEB: satotakuma.com |
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