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山下隆博写真展「吹雪の日/凪の海」





この度、東塔堂では山下隆博の写真展「吹雪の日/凪の海」を開催いたします。本展では写真集『吹雪の日/凪の海』(リブロアルテ, 2014)の写真を再構成し、山下の同郷の画家 木田金次郎を関連付けながら、写真集の内容を補完する展示となります。ぜひ会場にてご覧ください。

■作家より
 北海道後志地方の岩内町に私は生まれ、高校卒業までの18年間を過ごした。右を見れば羊蹄山をはじめとした山々が連なり、左を見れば日本海が広がっている。そんな風光明媚な場所が私の故郷だ。そして、私が生まれた1984年に隣の泊村では原子力発電施設の着工が始まった。
 留寿都村やニセコ町にはスキー場がある。共和町では畑作の風景が広がっている。寿都町の海沿いには数多くの風力発電施設がある。原発はそれらと何の変わりもない当たり前の風景だった。

 私の故郷の岩内町にはかつて木田金次郎という画家がいた。北海道関連の美術史の中でも特殊な存在として扱われる彼に出会ったのは高校での美術の授業だった。開館したばかりの木田金次郎美術館へ課外授業で訪れた際に、私は何だか夢を見ている様な不思議な感覚に陥った事を覚えている。それは多分彼の絵がどうとかという理由ではなく美術館という独特の雰囲気が初めてで、その静かな空間に何だか当てられてしまったからだろう。

 故郷の撮影を始めて4年程経過した時に木田金次郎の事を思い出して美術館へ足を運んだ。その時に私は彼の夕日の絵の前でしばし立ち止まってしまった。
 どうしてなのかは未だに言葉で説明する事は難しいが、有り体に言ってしまえば「感動してしまった」という事なのだろう。それから故郷に帰る度に美術館を訪れる様になった。

 彼の見ていた光景とは随分と変わってしまったはずだ。しかし、それでも変わらない太陽の光や険しい海岸線の岩肌、そこで生きる人達の息づかいだけは変わっていない様に思える。



会場:東塔堂 | Totodo
会期:2015年2月23日[月]→ 3月14日[土]
時間:12:00-20:00[日曜休み]
入場:無料
協力:加藤勝也

■EVENT:
3月7日(土)19:00 - 20:00
山下隆博(写真家)+一花義広(Libro Arte)+加藤勝也(デザイナー)3名によるトークショーを行います。参加無料, ぜひお越し下さい。





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